合格後の選択肢が多い
税理士はいくつかある国家資格のなかで、独立開業型の数少ない資格。
選択肢は
①独立(開業税理士)
②勤務(所属税理士)
③役員(社員税理士)
④税理士事務所以外の民間企業で経理職として勤務
と数多い。
会計事務所は人を使ってナンボのビジネスモデルが多いため、慢性的に人手不足の会計事務所業界。脱公務員をして開業したが、残念ながら軌道に乗らなかった場合でも、再就職できる余地は充分にあります。
脱公務員をしたあとの選択肢が多いことがおすすめする理由の一つです。
科目合格制&長期化する受験期間
税理士の平均受験期間が公的機関により明らかとされたものは(おそらく)ありません。
ある受験予備校では3~5年程度と解説しているところもありますが、
あるサイトでは情報公開の結果、約10年が平均だと解説しているところもあります。
税理士は科目合格制を採用し、国税経験者等の科目免除制もあり、正確な平均受験期間を把握することは難しいです。
(※税理士試験は受験科目9科目のうち5科目合格すれば最終合格となるが、その科目は1度合格すれば一生有効。毎年1科目ずつチャレンジすることも可能です)
ただ、私は10年程度が多いのではないかと、多くの先生方からの話を聞いて感じます。
1科目の難易度が高く長期化しやすいですが、公務員をはじめとする社会人受験生にはチャレンジする回数を多くできるため、モチベーションさえ維持できれば長期のチャレンジも可能。
あきらめなければいつか受かる可能性があります。
例えば、最終合格まで10年かかったとしても、学生や専業受験生が最終合格まで10年の月日をかけるわけにはいきませんが、社会人受験生なら本業を辞めない限り最終合格まで10年かけたとしても、人生設計に大きな狂いは生じません。
社会人だと一日の可処分時間から学生&専念受験生と同じ土俵で戦うのは難しい。しかし、税理士のように受験期間が長期化するような試験は、逆に本業をもつ社会人受験生の方が有利です。
学生&専業受験生と戦いやすいことがおすすめする理由の一つです。
資格取得するまでの選択肢も多い
税理士試験を受験して、合格科目を5科目そろえて税理士資格を取得する方法が一般的と思われていますが、税理士試験には免除制度というものがあります。
ひとつは①国税等経験者
もう一つは②大学院の科目免除
①国税経験者は
10年で税法3科目免除
23年で会計2科目も含めて5科目(全科目)免除
脱税務署から税理士になる解説は、他ブログでも多く執筆されているので割愛します。
②2年間大学院に行けば
会計学(簿記または財務諸表論)の1科目免除
税法の2科目免除
を受けることができ、大幅に圧縮することができます。
5科目合格を目指して試験勉強を続け、残り数科目となり最終合格の目途がついたときに2年間大学院に通う、という選択肢をとれば、税理士になれる可能性が高まります。
このように、最終合格するまでの選択肢が多いこともおすすめする理由です。
公務員は試験なれしている
公務員試験。
平成10年頃からは公務員人気で受験者が多かったため、合格率が低く
平成20年頃は採用抑制により、合格者が少なかったため、合格率が低い。
このように、最近10~20年はかなりの受験勉強と対策が強いられていました。
予備校等に通ったり、通信講座を受講したり、なんとか合格した人が大変だと思われます。
試験合格するためには、知識習得や解答テクニックを身に着ける以前に、自分にあった学習方法を確立すること、勉強のサイクルを身に着けることが重要。
ただし、これがかなり難しい。
公務員になった人は、公務員試験を経てこの点をクリアした人が大半ですから、他の人よりも少しスタートラインの先から始められるのです。
さいごに
私は、公務員として勤務しながら、司法試験・社会保険労務士試験・税理士試験と受験し続けてきました。
公務員を続けながら資格を取得しようとするとき
何を目指せばよいか
仕事と勉強の両立・モチベーション維持
予備校に通うべきか、独学か
等・・・
悩むことは様々あると思います。
資格の勉強が将来の自分の役に立つかもしれません。
脱公務員するしないに関わらず、何か資格の勉強をはじめてみてはいかがでしょうか?
ひょっとしたら、将来何かの役にたつかもしれません。
税理士・社会保険労務士 岩田 圭史