通常は慰留される
退職の申し出をすると、慰留されるケースが多いようです。
ありがたい気持ちになります。
特に採用後数年間、コストをかけて育成してもらっているわけですし、先輩&上司にも気にかけてもらっており、組織に育ててもらったという事実は変わりません。
このことへの感謝は、決して忘れてはいけないと思います。
でも、遺留されるのは、単に人事が決まっているからという理由です。
自分にしかできない仕事は通常ない、代わりはいくらでもいるという事実を忘れずに。
そこで揺らぐようだと、脱公務員の決意不足かもしれません。
思い返して、公務員をつづけた方がきっと幸せです。
申し出時期は
①前年度
②人事ヒアリング時
③12月ころ
④1か月前
⑤内示後
タイミングは色々あります。
巷では、人事に影響するため「前年度」や「人事ヒアリング時」に申し出るべきという情報があります。
組織のためには早い方がよいという考えなのでしょうが、あまり早くに申し出すると情報は必ずどこからか漏れますし、退職まで居場所がなくなっては元も子もありません。
自分の生活を守って、はじめて職業生活を続けることができるのです。
私の場合は・・・
秋の人事ヒアリング時に、「税理士・社労士を取得した。今回をみて先(辞職)を考えている」旨を伝えて、1か月前に退職申し出をしました。
前振りはたくさん。平成25年12月の税理士に合格したときは、合格証の写しを添えて資格取得届を提出しています。
1年越しの本気度は伝わっていたはず。
人事ヒアリング時に伝えているのだから、それは人事係の責任だと自分を納得させて、正式申し出は1か月前にしました。
せめて内示が発表される前に申し出をして、内示が変わらないように配慮したためです。
なお、自分が組織を挙げて本気で慰留されるような人材になれていれば、脱公務員はしなかったかもしれません。
公務員を辞めさせてくれない話
退職申し出をしたあとでも、辞めさせてくれないという記事&相談がよくあります。
予算の都合や人員補充の関係とそれらしい理由をつけることもあるようですが、そんなことはありません。
予算の都合は退職手当。年度代わり直前に資金要求しても問題なく間に合います。
定年退職者以外は、誰が退職するかギリギリまでわからないのだから、当然です。
人員補充も候補者名簿に残っていれば間に合います。
残っていなくても、次年度の試験が終われば夏ころには補充採用可能です。
合格率が高くなってきたとはいえ、公務員は人気職種の一つに変わりありません。
そのため、組織としては決まっているから動かしたくない、事務的な理由の慰留です。
また、辞職を認めないという法令上のルールもありません。
そのため、脱公務員の決意が固まっていれば、公務員を辞めさせてくれないということはないのです。
でも、直接慰留する人は組織ではなく、所属長をはじめとする直接の上司。
本当に辞めたいのか、辞めた後どうするのか。
現場では、予算や人員のことよりも、
その人の将来を考えてくれて慰留してくれているでしょう。
人事異動通知書「辞職を承認する」
公務員生活の最後は、あっけないものです。
税理士・社会保険労務士 岩田 圭史